Fostex OMF800Pは、アルミニウム振動板を使ったコーン型の8cmスピーカーユニットです。
f0は117Hz、再生周波数帯域はf0~32kHz、出力音圧レベルは83dB、m0は2.38g、Q0は0.64、マグネット重量は112gです。
そして最大の特徴がセンターキャップの代わりにアルミニウムの三角錐のようなフェーズプラグがついていることです。
OMF800Pの前身のユニットは、ステレオ誌2016年8月号の付録だったM800です。スピーカーの中心にはフェーズプラグではなく、一般的なセンターキャップ(センタードーム)がついています。コーンは両スピーカーともに同じアルミコーンです。
諸元は、f0は105Hz、再生周波数帯域はf0~32kHz、出力音圧レベルは82.5dB、m0は2.50g、Q0は0.75、マグネット重量は103gです。
M800のアルミコーンに接着されたセンタードームがOMF800Pではアルミコーンと切り離されたフェーズプラグに変わっていること、マグネット径がM800の60mmからOMF800Pでは65mmへとわずかながら大きくなっています。これらが諸元の違いに出ていると思われます。
このほか、ステレオ誌で8cmユニットが付録になったのは、2011年のP800、2014年のPW80の2つがあります。
2011年のP800は、コーン、センタードーム、マグネットなどがバラバラになったキットで、自分で組み立てるものでした。
コーンは紙で、f0は115Hz、再生周波数帯域はf0~18kHz、出力音圧レベルは86dB、m0は2.0g、Q0は0.84、マグネット重量74gです。
2015年のPW80は、P800と同様に一般的な紙コーンのスピーカーです。
諸元は、f0は130Hz、再生周波数帯域はf0~23kHz、出力音圧レベルは83dB、m0は2.3g、Q0は1.08、マグネット重量92gです。
ツイーターのPT20と組み合わせて使うことが前提になっていたこともあり、フルレンジスピーカーとはいえ、m0が2.3gあることなど、付録の8cmスピーカーのなかでいちばん重く、ウーファーに近い特性も持ち合わせていました。
M800以外は、それぞれにあわせたエンクロージャーに組み込んで聞いてみました。
P800はわりと鳴りっぷりがよく、元気なスピーカーであり、バランスもとれていました。
PW80は、PT20と組み合わせて2Weyスピーカーとしましたが、バランス的には悪くはなかったのですが、PW80側にローパスフィルターとしてコイルを、PT20にはハイパスフィルターとしてコンデンサーを挿入したためなのか、エンクロージャーが悪かったのかわかりませんが、落ち着いているというか、音が前に出てこないというか、詰まった感じの音になってしまいました。
今思えば、PW80をスルーで使った方がよかったのかもしれません。
そして、OMF800Pはというと、音だけで言えば、バランスのとれた明るめの音だと思います。
アルミコーンと紙コーンの違いもあるのかもしれませんが、紙コーンのほうが元気があり、アルミコーンのほうは抑制的な音のように感じています。
しかし、OMF800Pの立体音場の再現といった面では、いずれの付録スピーカーは足下にも及びません。
市販スピーカーでも、限られたものしか聞いていませんが、自分のなかでは、OMF800Pが最高だと思っています。
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